中国見聞

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漓江の遊覧

桂林 (Guilin) はヴェトナムと国境を接する広西チワン族自治区にある。風光明媚のこの地に多くの観光客がやってくる。桂林の名はクスノキ科の常緑樹に由来し、シナモン、カシア、ニッキ (肉桂) はいずれもクスノキ科の近縁種である。秋になるとこの木の香りが桂林の町を包むという。

漓江を下る遊覧船  撮影:2005/03/25
漓江を下る遊覧船 撮影:2005/03/25

桂林を起点とする漓江 (Li Jian, Pearl River)の遊覧は、陽朔 (Yangshuo) までの約80キロを4,5時間かけて下る。中国南部最大の珠江水系に属する漓江は約400 キロで、北から南に流れるおよそ600キロの支流の一部を成す。北江とよばれるこの支流は、その下流で、西から東へと下ってきた本流 (西江) に合流し、広州附近で珠江デルタを形成して南シナ海に注ぐ。河口近くの支流 (東江) をふくめても、その長さは中国第二の黄河の半分にも及ばない。しかし、珠江水系全体の水量は黄河を凌いで中国第二を誇る。

川沿いにさまざまな形をした山の頂が連なって、ここが日本の秋吉台と同じカルスト地形であることをしめす。石灰岩地帯におこった長年月の水の浸食が、地表に窪地 (ドリーネ) を形成し、侵食に抵抗した岩山を林立させ、また、地下に鍾乳洞を作る。遊覧をした日は、生憎の小雨模様であった。観光シーズンには少し早い三月下旬であったので船と船の間隔はかなり開いていたが、最盛期の夏には数珠つなぎになるという。

遊覧船の船尾で昼食の準備をする女性  撮影:2005/03/25
遊覧船の船尾で昼食の準備をする女性 撮影:2005/03/25

遊覧船の船尾には簡易厨房がある。食事時にもいい景色のところを通りますからお見逃しなくと案内をしながら、中国のどこにいってもそうであったが、品数の多い昼食料理となった。

竹製の筏にのったおみやげを売る人  撮影:2005/03/25
竹製の筏にのったおみやげを売る人 撮影:2005/03/25

出発してしばらくたった頃、筏にのったひとたちが遊覧船の横にあらわれて、おみやげものを売りはじめた。夜の鵜飼でもみた5本の竹を束ねたまことに小さな舟で、常に浸水しているという感じである。そういえば川岸には竹が多くみられた。人家はまばらであったが、時折小さな村落もみえたので、おそらく川沿に住む人たちがこうして働いているのであろう。このあたりは、水量が低下すると全行程の遊覧ができなくなるというくらい浅い。それを知ってか、危ない仕事をなれた身のこなしでやってのけ、遊覧船の中に入ってくる人もいた。

雨に煙る漓江沿いの岩山  撮影:2005/03/25
雨に煙る漓江沿いの岩山 撮影:2005/03/25

はるか川下に見える連峰は、しばらくいってからまじかに見上げる岩山である。千差万別の山なみを遠望しながら川下りは延々と続いた。雨に煙る連峰は水墨画そのものの雰囲気で、多くの文人墨客を魅了した漓江沿いの景観は、まさに百里の画廊であった。

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